ハッピーエンドにさよならを

漫画、小説、音楽、サウナの雑記

紫煙を燻らす20歳と34歳

普段は電子タバコを吸ってる

それなりに吸ってる感もあるし、匂いも着きつらいしね

でも極たまに所謂紙巻きタバコを吸う時がある

ストレスがマッハまで駆け上がった時だ

昨日、一昨日がそれだった

機械納品にかかるプレッシャー

現地でいきなり変更になる段取り

発覚するミス…

「あ〜紙巻きタバコ吸いてぇ…」

となり久々に買う事にした

 

普段はあればボヘームダブルモヒート、無ければメビウスオプションレッド5mmを吸うけど、駆け込んだコンビニにはどちらも無かった

どれにするか悩んでる時目に入ってきたのはハイライトメンソール…懐かしい…大学時代の4年間吸っていたタバコだ…

当時は400円ぐらいだった気がするけどハイライトメンソールも例に漏れず500円超えをはたしてた

 

ライターとタバコを買ってホテルに戻り懐かしいタバコに火をつける

微かにラム酒のフレーバーが乗るメンソールとタバコ感とのバランスが良い煙を肺に入れると、吐き出す煙とともに20歳前後の自分を思い出した

 

大学に来たものの講義に出ないで喫煙所でずっと友人達と駄弁って日が暮れたら帰ったり

サークルの狭い部室であーでもない、こーでもないとバンドで曲を作ったり

友達と館林の牛角に行って食べ放題でししとうを品切れにさせたり

関東圏内のライブに出てはボロクソにブッカーに言われたり、時には気に入ってくれて色々ご縁を頂いたり

ゼミでの研究内容にどうしても折り合いがつかなくて教授とあれやこれや話し合ったり、文献を読み漁ったり

 

具体的には書けないけど、何かあの頃ってめちゃくちゃ思い出がいっぱいあるんだよね

大体笑ってる思い出が

それが懐かしいし、眩しくもある

 

あの頃はお金も無かったけど、時間だけは贅沢な程あった

今は逆にお金はあっても、時間なんて全然無い

メッシュカラーの髪を伸ばし、ピアスをじゃらじゃら着けて、ハイライトメンソールを燻らせるあの日の少年が俺を見たらガッカリするかもしれないし、絶望するかもしれないし、まぁそんなもんだよなと納得するかもしれない

でも何となく、20歳の頃の俺は今の俺を好きでは無いだろうし、その理由も分かる

だからこそ34歳の俺は20歳の頃の俺を好きだし、誇りにも思う

 

あの時、群馬県板倉町でタバコを吸ってたお前に、「お前15年後は縁もゆかりも無い愛媛の宇和島で同じタバコ吸ってるぞ」って言ったら驚くだろうな

 

20歳の頃の自分なんて、最早別人なんだろうけど、ハイライトメンソールを吸ったおかげでアイツの為にももう少し踏ん張ろうかって思えた

 

空に消えていく紫煙の形だけは昔と変わらなかった