ハッピーエンドにさよならを

漫画、小説、音楽、サウナの雑記

酩酊フリークス

みんながコンビニやスーパーで何気なく手を取る食べ物、簡単に言えばそれを包装する機械の技術営業的な仕事をしてる。

 

世の中にはかなりニッチなものがあって、今の会社に入るまで自分が普段何となく買ってるものを包装する為の機械や工程なんて考えたことが無かった。

 

大袈裟に言うなら、機械工学、力学、電気、化学、生物、それら全ての知識が問われるし、その集合知のような機械を扱ってる。

競合他社なんて3社ぐらいしか無い狭い世界。

 

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例えば、コンビニの商品で言うとサラダチキン、あれは所謂真空パックという形態になる。

あとはコンビニにあるトレーに入ったお惣菜、あれはガスパック(中に空気ではなく大気の比率を変えた食用ガスが入ってる)という形態になる。

 

昔から真空パックは日常的にあったけど、ガスパックが普及し始めたのはここ5年ぐらいの話。

今までラップ巻きだった商品形態が、どんどんガスパックに切り替わっていってる。

 

ガスパックになって消費期限が伸びることによるフードロスの削減、計画生産への移行による食品工場の負担減など良いことづくめじゃないか?

 

そして決して消費者からは陽の目が当たることの無い場所で、俺たち機械屋は戦ってる。

 

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食品工場の衛生管理体制なんてマチマチだ。

無菌に近い状態で生産しているようなところがあれば、ハッキリ言って劣悪な衛生環境で生産してるところもある。

人間の体って意外と丈夫だよ。

まぁおかげさまで食べれなくなったものもあるけど…

 

そして今俺は普段の業務もやりつつ、ヨーロッパやアメリカなどでは普通だけどまだ日本には普及していない包装形態の開発もしてる。

去年の4月から始まってあと少しで形に出来そうなところまできた(まだ問題もあるけど)。

 

当初は俺ら機械屋、包材屋など集まって誰も答えを知らない中でひたすらトライ&エラーを繰り返した。

 

少しずつ社内でもそれが周知され、「〜の事ならまずあいつ(俺)に聞け」とまで言われるようになった。

 

ほぼ同じ年代で俺より1年〜1年ちょい先に入ってる先輩が3人いる。

3人ともかなり優秀でこの先同じ道を歩んでもその3人には勝てない事は1年も働けば気付いたし、むしろ差は広がる一方のように思えた。

 

だから違う道で生きるしかないと決めて、新技術の開発という道なき道を進むことにした。

そして近しい他部門の商材も売りこむなどして他の人とは少し違う歪なアイデンティティを確立出来るようにしたし、今でも確立出来るよう足掻いてる。

 

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今の仕事はかなり忙しく、大変だ。

人は居ないのに、勝手に全国から引き合いが来て誰しもが忙しく駆け回ってる。

俺の所属してる部は全部で11人いるけど、入社して3年、全員が一堂に会したことは一度もない。

 

そしてかなり専門性が必要な仕事だから誰でも出来るわけでもない。

 

泥臭い仕事だし、辛い時はめちゃくちゃ辛い。

 

一昨年の12月、大クレームを発生させてしまい客先に2週間監禁されたこともあった。

500円玉より大きい円形脱毛が出来た(約1年後に治った)。

 

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それでも街中で、自分が手掛けた(担当した)商品が並んでるのを見ると、月並みだけど嬉しくなる。

 

俺は単純な人間だから、それだけでもうちょっと頑張ろうかなって思っちゃう。

働くのは嫌いだけど、仕事は好きかもね。

 

かなり総花的な仕事の話しでした。

 

 

つづく