Wake up your dead
俺の音楽の始まりはX JAPANだった
とっくにXは解散して、HIDEも亡くなった後だったけど、中2の時に友達の兄貴がXのBlue bloodを聴かせてくれて、イントロのギターとドラムの刻みを聴いた瞬間「DA PUMPなんて聴いてる場合じゃねぇ!」と脳天を撃ち抜かれたような衝撃を受けてバンド人生が始まった
そこから似た系統でHIDEはもちろん、LUNA SEAや黒夢、SADS、BUCK-TICKなどなど色々漁ってく中で出会ったのがDir en greyだった
当時は所謂ヴィジュアル系にカテゴライズされるバンドだったけど、他のバンドとは明らかに一線をひいてるサウンドやボーカルに寝ても覚めても夢中だった
やがてそこから俺はさらに重く、速い、激しい音楽を求めて、メタル、ハードコア、パンク、メロコア、エモ、スクリーモ…などなど、洋楽邦楽問わず色々聴きあさった
正直音楽に幾らお金、時間を費やしたか分からない
「足立区で俺が1番音楽詳しいんじゃね?」とかよく分からんことも思ってた
ただどれだけのバンドを聴こうとも、多感な思春期を共に過ごしたバンドはいつ聴いても胸の奥から込み上げるものがあるし、歌詞を見なくても普通に歌える
それが俺にとってのDir en greyだ
かつてヴィジュアル系とカテゴライズされてたものの、バンドサウンド的にはハードコアやニューメタルにかなり寄っていき、いつの間にか世界中でライブして、フェスとかにも出るようなバンドになってた
そんなバンドが今日、初めてデジタルリリースをしたシングル
「落ちた事のある空」
ここ最近のシングルで言えば「詩踏み」、「人間を被る」など日本語タイトルがついてるものはマジでタイトルから曲が読めない状態
そして今回の落ちた事のある空は…ゴリゴリに激しい
ただ人間を被ると比べると大分スッキリした印象
音の厚みと激しい展開でかなり攻めてくる
個人的には俺が1番好きなアルバムで構築系としてディルの最高傑作だと思ってる「DUM SPIRO SPERO」の空気感を感じる
全然違うものなんだけどね
ボーカルはグロウルやピッグスクイール、ヘッドボイスやデスボイスをふんだんに使いつつも、メロはしっかりと聞かせて、相変わらずの訳わからんぐらいの高音と声のレンジがとんでもないことになってる
歌詞は分からないけど
あらゆる社会の不条理や、突如外部から全てを奪われる不合理、そういうものを歌ってるのかなぁって思った
戦争や原爆をモチーフにして人の罪や悪を歌った「VINUSHKA」に近いかも
めちゃくちゃカッコいい曲
そしてカップリングは15年前のシングル「CLEVER SLEAZOID」の再録!
シングルでは「朔-SAKU-」や「DRAIN AWAY」と並んで大好きな曲
15年前のありとあらゆるものを憎んだような全方位への敵意を剥き出しにしたようなボーカルは鳴りを潜め、根源の怒りは変わらずとも少し大人の余裕があるようなボーカル
何より殆ど英詩だったのがかなり日本語詩に変わってる
それでもツボを押さえるところは押さえてて、
「One day I'll fuck your parents」というクソ厨二っぽい最上級の侮辱は相変わらず絶叫されてるし、その後の「This is the last time, welcome to the garden of destruction 」のコーラスから突如ブッ込まれる「wither…wither…wither…」連呼のシャウト
15年前はもっと早い段階で出てきてたから、今回は無いのか…と思ってたらいきなり出てきてくそテンション上がる
やっぱこの曲にはこれが無いとね〜
そして最後は15年前にはなかった爆速パートが追加されてボーカルのピッグスクイールで終わる
このパートが新たに追加されたことで"どれだけの時間が経とうとあの時のあらゆる憎しみや痛み消えねぇぞ"っていう決意を感じるよね
ある意味15年前とは同じ曲とは言えないけど、やっぱりマジでカッコいい
40歳を超えてなお攻め続ける姿勢が本当にすごい
そしてシングルにこーいう激しい曲を持ってくるのがらしいなって思って嬉しくなるよね
収まる気配の無いコロナ
最悪俺はどーなっても良いから、俺の家族や大切な人だけはどーにか生き延びて天寿を全うしてくれれば願ってる
その人達が残ってくれれば、俺の物語は続いてく
つづく