ハッピーエンドにさよならを

漫画、小説、音楽、サウナの雑記

白水湯に願いを

朝、堪らなく起きたく無かった。

仕事はあるものの午後イチの部長とのアポイントは適当に理由付けて直行にして、家でタバコを吸いながらアイスコーヒーを飲む(というか家ではアイスコーヒーしか飲まない)。

 

午後の商談は部長が絶好調で「俺がいる意味あんの?」と思いながら、薄っすらと今日はサウナかなぁと考えてやり過ごす。

 

商談後部長と別れて会社に戻る前にコンビニで一服

GO!GO!7188の「パンク」という歌の詩に

 

きっといつもこんな風に空ばかり見ていれば

後悔せずに暮らせるのかもね

 

という部分がある。

あぁそうだよな、高校生の頃はこの歌詞を聴いても気にも留めなかったけど30歳を越えた今、全く同意しかないよ。

重力に従って下を見てるほうが楽だけど、空や雲の成す綺麗さを見上げてるだけで自分のちっぽけさを感じて気持ちも楽になれる気がする。

 

f:id:emopoi0218:20200115212504j:image

 

会社に戻ってその日のマストな仕事は終わらせて退社。

 

定期圏内(これ重要)で何となく気になってた白水湯へ向かう。

入谷駅で降りて少し歩くと思わぬ所に出てくる。

白水湯に行こうと思わない限り、辿り着きづらいような場所にある。

 

f:id:emopoi0218:20200115215636j:image

 

仕事で履いてるマーチンの革靴(28cm)を無理矢理下駄箱に押し込んで番台へ

おぉ…こりゃインパクトがすごいなぁ…

松崎しげる並みに黒く、ボブマーリーのようなレゲエテイストもあるような店主に圧倒されるもサウナ代含め550円(バスタオル付、小タオルは言うと無料で貸してくれる)を支払い中へ

 

下駄箱はめちゃくちゃ空いてたのに、ロッカーの鍵が全然無くて不思議だなぁと思いつつ上段のロッカーに鞄を入れる

俺の仕事鞄は直行直帰も多い為パソコンやら書類やらが多く本当に重い

 

それを察した帰ろうとしてる常連さんに

「お兄さん下のロッカーの方が良いよ」

と声をかけられる

アドバイスを素直に受け下段のロッカーに荷物を移し着替えながら色々話を伺う

 

・ロッカーの鍵が付いてないのが多いのは鍵が盗まれてるから

・サウナに入る時は外の番台の奥にあるサウナマットを持ってきて使うと良い

・基本常連しか居ないから新しい人がくるとすぐ分かる

 

との事。

御礼を告げてサウナマットを取りに行き浴室へ。

 

決して綺麗ではないけど、不衛生というより使い込まれたっていう印象。

浴槽のお湯はこのエリアでは珍しく熱湯じゃ無かった。

 

サ室は小ぶりで上段2人、下段3人がMAXぐらい。

温度計は85度ぐらいでぬるめ。

サ室に既に居た常連さんと少しお話し。

曰く普段は90度超えるぐらいだから今日はぬるいらしい。

 

それならそれで良い。

常連さんが居なくなったタイミングで目を閉じて思慮に耽る。

日々の生活で溜まっていく劣等感をオーバーフローさせてく。

12分入って汗もそれなりだけど更に3分サ室に居座る。

 

水風呂の温度計は27度を示してるけど、銭湯の温度計と石原良純の天気予報程あてにならないものは無い。

水を凄い勢いで垂れ流す蛇口とバイブラの効果もあり体感はうんと温度計よりも低く感じる。

体から力が抜けて微睡んでいく。

この瞬間が堪らなく好きだ。

ゆっくりと何分も浸かって体をちゃんと冷ましてく。

 

休憩は無しで更に2セット追加する。

 

サウナがぬるい、水風呂がぬるいと文句を垂れるだけなら誰だって出来る。

じゃあその上で自分をどうその環境に合わせていくかというのが大事だと思う。

 

サウナがぬるい?水風呂がぬるい?

違うよ

アンタがぬるいだけだよ。

 

満足して帰路に着く。

 

入谷駅前の交差点。

車のヘッドライトが流星群のように流れては消えてく。

明日は今日より良い日になればいいなぁと頭の片隅で願う。

 

f:id:emopoi0218:20200115215855j:image

 

 

つづく