ハッピーエンドにさよならを

漫画、小説、音楽、サウナの雑記

考察でも何でも無い、ダラダラと垂れ流す映画の感想

部屋で特に何もするでも無く、王様のブランチを見ていたら長澤まさみ主演「MOTHER」という映画の宣伝をしてた。

その内容に何となく惹かれ見に行くことにした。

 

ネタバレあります

 

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内容としては特に何かを捻っているわけではなく、特別何かが起こるわけではない。

ただとても良かった。

面白いという言葉がしっくり来ない内容だけど良いことには間違いない。

まず、演者の表現力、特に長澤まさみの演技は怪演と言っても差し付かえないレベル。

そして今回がほぼデビューに近い、長澤まさみの息子を演じた大平太兼の演技も途轍もなくリアルで、「誰も知らない」でデビューした柳楽優弥を彷彿とさせる演技だった。

そのほかにも阿部サダヲ夏帆などが脇を固め、ストーリーで魅せるのではなく、演技で魅せるという映画だと思った。

 

この映画で描かれるのは家族、特に母親と息子の関係性。

家族愛というハートフルなテーマを、究極の共依存という歪んだ形で表現している。

家族というのは血という楔で雁字搦めにされた”呪い”のようなものかもしれない。

 

秋子(長澤まさみ)は人としてはどうしようもない人間だった。

ネグレクト、働かず親、姉妹、元夫への金の無心、パチンコ、行きずりで男に抱かれる。

周平(大平太兼)にも手をあげる、怒鳴る。

 

それでも学校へも行けずに友達もいない周平にとっては秋子のいる生活というのが世界だった。

時折見せる秋子の母親から子供への愛情がそれをより強固にした。

 

新しい家族、妹の冬香が増え亜矢(夏帆)の手ほどきで外の世界を知り、手を伸ばしても秋子がそれを許さない。

そして歪んだまま秋子と周平は放浪し、最後はお金のために秋子の指示で周平は祖父母(秋子の父と母)を殺す。

しかし、裁判で周平は秋子のことを話さず実刑を受ける。

 

どんなに他の人に咎められ、自分でもダメだと分かっていて反抗しても、周平は最後は秋子の指示に従ってしまう。

 

そして刑務所の面会所で周平は亜矢に話す

「全部ダメなのは分かってる、でもお母さんが好きなんだ。お母さんが好きなこともダメなのか?」(大体こんな感じ)

 

そして息子の周平が刑務所に入り、娘の冬香も施設に引き取られた秋子は寂しい部屋で抜け殻のように過ごしている。

家族が無くなった秋子には何も残されていなかった。

 

家族というのは本当に難しい

色々な形で、良くも悪くも切れない関係

秋子と周平の間にあるのは紛れもない親子愛

ただしそれは歪んだ形でしたお互いに表現できなかっただけだ

他の人から見れば秋子は母親として、人間としても最低だけど、周平にとってはただ1人の母親だった

そして秋子にとっても周平はお腹を痛めて生んだ大切な子供だった

お互いに大きく、そして間違った方向に依存しあい、すべてを失った

 

きっとこれはどこにでもあるような話

この「MOTHER」は実話を基にして作られてる

 

ちょっとうまく整理出来てないけど、色々と考えさせられた、重く、辛い映画だった

 

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普段そんなドラマも映画も見ないから長澤まさみの演技は高校時代に「世界の中心で愛を叫ぶ」で大号泣した以来に見たけど、めちゃくちゃ凄い女優になったと思う

一気にファンになるレベル

ちょっと色々映画見てみようかな・・・

 

たまには映画とかみるのも良いね

 

つづく