ハッピーエンドにさよならを

漫画、小説、音楽、サウナの雑記

人生は辛く短く、そして美しい

もう昨夜のM-1の余韻が本当に凄い

お笑いは昔から好きで、小学生の頃はごっつええ感じ、中学生の頃は毎週本能のハイキックやオンエアバトルを欠かさず観て、高校大学とお笑いから離れてしまったけど、YouTubeに参戦する芸人が多い昨今、またお笑いをよく観てる

YouTubeTVerAMEBAを駆使して色んな芸人のチャンネルや漫才、コント、バラエティ番組を日夜チェックしてるけど、昨日のM-1ほど心に残った事は無かった

錦鯉のファンというわけでは無いけど、それでもだ

錦鯉の最終決戦の流れがあまりにも完璧過ぎた

 

苦節50歳で歯が8本(10本だっけ?)無く、スキンヘッドで、貧乏No.1を決めるトーナメントのオーディションに電車賃が無くて行けなかった長谷川さんが「みんなもいつかこうなるんだよ!」と咆哮する所から漫才は始まる

長谷川さんの混沌と馬鹿がぐちゃぐちゃに混ざり合ったボケに、渡辺さんが淡々と、そして正確にツッコミを入れ、最後は渡辺さんに寝かせられた長谷川さんが「ライフイズビューティフル」と言い漫才が終わる

混迷の極みの末、最後はシンプルに、そしてシュールに終わるフランス映画のような漫才

去年とも、今年の決勝ファーストラウンドとも違う錦鯉が「お馬鹿漫才」というカテゴリーから一歩抜けて出た、型破りの漫才だったと思う

 

そして結果、7人中5票獲得した錦鯉が圧倒的な優勝を成し遂げた

M-1史上最年長ファイナリストと言われ、後輩がどんどん売れていくなか、泥臭くも、毎月5本の新ネタを作りひたすら漫才を貫いた男たちがLife is beautifulを体現した瞬間だった

 

号泣する長谷川さん、いつもは強くツッコミを入れる頭を優しく撫でた渡辺さん、決して綺麗とはいえない図だけど、感動のあまり泣いてる自分がいた

そして審査員席でもらい泣きをするサンドウィッチマンの富澤さんとナイツの塙さん

更に涙が止まらなくなってしまった

特に塙さんは営業で錦鯉と一緒になる事も多いっぽく、みんながテーブルでお弁当を食べる中、長谷川さんだけが「売れてない自分がみんなと一緒のテーブルで食べるのは申し訳ない」と最年長ながら洗面所で1人お弁当を食べる姿を見ていたらしく(ツイッター情報)、そんな背景を知ってるからこそ普段飄々としてあまり感情を見せないのにあの一世一代の舞台で涙を見せたと思うと余計グッとくる

 

また、錦鯉の所属するSMAはR-1で優勝したハリウッドザコシショウキングオブコントで優勝したバイキングが居るなど曲者ベテラン勢が多いながらも賞レースで活躍した強豪ぞろい

錦鯉もM-1前にザコシとバイキング小峠さんにネタを見てもらっており、実は最後長谷川さんがライフイズビューティフルと言うのは小峠さんの案らしい

「なんて日だ!!」と叫んで優勝したバイキング

「ライフイズビューティフル」と伝えて優勝した錦鯉

大河のような大きな流れを感じる

そしてザコシも錦鯉に対して「やり続けるのも才能」としっかりと評価しており、そういうしっかりと錦鯉を受け入れ、支える事務所の環境も今回の優勝の一因だったと思う

 

あとは錦鯉(特に長谷川さん)を語るうえで欠かせないのはタカアンドトシだと思う

最近は活動を地元北海道に主軸を置いて、あまり他の地域のTVでは観ないタカトシだけど、2人は歳は違えど長谷川さんと札幌吉本の同期で、紛れもない友達でもある

錦鯉が去年のM-1直後、TVへの露出が一気に増える中、タカトシと一緒にセットで出る場面も多かった

みんなが雅紀さんと呼ぶ中、タカトシの2人は「ハセ」と当時のあだ名で呼んで、楽しそうに当時のエピソードを話してた

本当に仲が良いんだなって思った

だから絶対タカトシの2人(特にタカさん)も泣いてるんだろうなぁと思って、ジンギス談に早く錦鯉が凱旋出演して欲しい

 

今回錦鯉がM-1を優勝した背景には弛まぬ地道な努力があった事なんて百も承知だけど、それでも諦めなければ長谷川さんが「みんなもいつかこうなる」と言った風に長谷川さんや渡辺さんのようになって、Life is beautifulと思える瞬間が来るのかもしれない

何歳になろうが夢を叶える瞬間はカッコいい

そして何かを成し遂げるのには年齢なんて線引きは無いということを見せてくれた

「魂は歳を取らない」

有言実行だったと思う

 

人生って悪くないんだな、と雲の隙間から光の筋が溢れるような感覚になった

 

錦鯉、本当に優勝おめでとうございます

あと、長谷川さんの背後でゆにばーすの川瀬名人さんが思い切り笑ってる顔をみて、今年のM-1は良い大会だったんだなと思った