未来に成れなかったいくつもの過去達へ捧ぐ
前に学生時代の話を書いたけど(俺が知るすべては何も知らざることなりってタイトルの奴)その続き
俺の大学は大学3年時より本格的にゼミが始まる。
大学2年時にフィリピンのスラムでカルチャーショックを受けてから約半年、ゼミの選択で俺は東南アジアをフィールドとする都市計画+環境社会学みたいなゼミに入った。
理由は簡単、がっつり研究をやるゼミかつ現地調査にウェイトを置いてる、あと俺が創作者として崇める森博嗣の代表作「すべてがFになる」を擁するS&Mシリーズの主人公が大学で建築の助教授(今は准教授って呼称?)だからという真面目なんだか、よく考えてないんだか分からない理由。
春にゼミへ配属されて夏には早速現地調査。
研究する(=知ること)の楽しさを知りつつも、自分がじゃあ具体的にどういう事に興味があるのかはさっぱり分からない。
個人的に今だから分かるけど
・学士(学部生)=元から顕在化してる事象に対して考えてを論理的に述べる(1を5にする)
・修士(博士前期生)=自身で新たな問題設定をして、そこに対して質的、量的データに基づき考察を出す(0を5にする)
・博士(博士後期生)=自身で設定した問題設定がそもそも成り立つのか踏まえたうえで、そこに対しする質的、量的データに基づき考察を出し、さらにそこから発展し得る事象についても明確化させる(0を10にする)
っていう感覚
ごめん、もっと分かり易くいうと
・学士→元からある問題に答える
・修士→自分で問題を作る
・博士→自分で問題を作って答える
って感じ
とにもかくにも、その時の俺はまだ問題を出されてる事に気付かないぐらい何も考えて無かったからとりあえず教授のメインフィールドであるタイに夏休みに勉強で行く事にした。
人生2度目の海外、初めてタイ
初めて覚えたタイ後は「マイサイパクチーナカップ(パクチーを抜いて下さい)」だった。
夏のタイはスコールも多いため蒸し暑く、調査でスラムを歩いてるだけで滝のような汗をかいて辛かった。
教授やゼミの先輩、大学院生の人達に着いて回って調査のお手伝いをしつつ、自分が興味を持てる分野を探してく。
夜になるとみんなでご飯を食べて、飲みに行ったり、時に買い物(ナイトマーケット)に出たりと、前回のフィリピンよりも随分と観光要素もあったような…
約2週間の滞在でバンコクとアユタヤを回った
タイの大学の先生や、現地のコーディネーター、NGOや政府関係の職員の方など色んな人とあって「世界は広いんだなぁ…」と何となく思った。
自分がこれについて研究したいなぁという事も見つかり、先輩や助教の先生と話してると「多分君は研究者に向いてるから大学院に進学したほうが良いよ」と何人かから言われた。
大学に入って、普通にそのまま社会に出て、サラリーマンになるんだろうなぁと思ってた俺
世間も知らず、すぐに勘違いした俺は「へぇ〜それだったら大学院に進学してみたいなぁ〜」とうっすらと思いながら日本に帰って来た。
結果として俺は大学院に進学する。
ただそこに至る迄の紆余曲折については興味ある人いるか知らんけど、俺は興味あるからまた今度。
俺が選択しなかった未来達の物語も紡いでいけたら。
つづく